GBTとは
Guided Biofilm Therapyを略で、バイオフィルム・ステイン・歯石の除去などをスイス製の最新の機器「エアフロー プロフィラキシスマスター」を使用して行う、新しい「歯周病治療・メンテナンス」のシステムです。
GBTの特徴
世界で唯一GBTが可能な「エアフロー プロフィラキシスマスター」というエアフローを使用し、歯科組織(象牙質、セメント質、エナメル質、歯肉など)への侵襲性を抑えます。且つ、染め出しにより、病原菌の塊(バイオフィルム)を可視化。除去しやすい状態にし、う蝕や歯周病の予防を容易にします。

GBTの目的
健康な歯を維持するため、むし歯の予防・発見、被せ物・インプラント周りのクリーニングを目的としています。
GBTの流れについて
実施内容①
まずは、歯周ポケットの測定・歯肉の状態の診査を実施。
実施内容②
染め出しを行い、病原菌の塊(バイオフィルム)を可視化。
実施内容③
カウンセリングを行いながら、患者さん1人1人にあった治療内容の説明・予防法を説明。
実施内容④
エアフローを使用し、バイオフィルム・ステイン・早期歯石をクリーニング。
実施内容⑤
取り切れなかった歯石を丁寧に除去。
実施内容⑥
口腔内を最終確認し、むし歯の詳細(深さ・進行度合い)を確認。
実施内容⑦
歯をより強くする為、フッ素を塗布し、終了。
これまでの予防を目的とした
メンテナンスとの違い
これまで感じていたメンテナンスの際の痛みや不快感、歯やインプラント、被せ物への傷も防げます。
バイオフィルムの除去をすることで、よりむし歯・歯周病のリスクを回避できます。従来の治療は歯石除去を優先していますが、バイオフィルムが原因で、高齢者の方が誤嚥性肺炎になるリスクが高まったり、循環器疾患や糖尿病との相互関係もあると判明しています。よりリスクを軽減する予防法です。
バイオフィルムについて
最も身近なところでは、排水溝にあるヌメリがあります。複数の細菌からなる複合体なのですが、強固な細菌膜で付着しているので、水で流すなどでは取り切れません。歯にも同様に、増殖した細菌がバイオフィルムを形成し、その中に歯周病・むし歯の原因菌が繁殖している状態になっています。
これを除去するためには、日頃からの歯磨きと、定期的な歯科医院でのプロフェッショナルケアを受け続けることが重要です。
約2億個の細菌がバイオフィルム1mgの中に存在します。
じつは、健康な口腔内な人と歯周病のある人を比較すると、以下の違いがあります。
- ・
- 心臓発作の発症率 2.8倍
- ・
- 脳卒中や脳梗塞 3.0倍
- ・
- 早産の危険率 7.5倍
細菌は歯だけではなく、全身の色々な病気を誘発していきます。
日本人の死亡率で上位を占めている誤嚥性肺炎は、歯ぐきの血管を通じて体内の臓器に入ったりします。高齢の方の場合、嚥下機能が低下しており、睡眠中に逆流した胃液と一緒に口腔内の細菌も気管に誤って入ることで、誤嚥性肺炎を発症するケースもあります。
お口の中の健康を保つことが、病気の予防にも大きく影響します。
そのためにも、メンテナンスなどで、お口の中の細菌の数を減らす、除去するなどし、環境を整えることが有効とされています。
エアフロー
う蝕や歯周防予防、メンテナンスに使用しているエアフロー プロフィラキシス マスターは、「Guided Biofilm Therapy」に基づいて開発したEMS社の最新機種です。
プロフェショナルケアとしては、質の高いケアを提供。スケーリングも歯肉縁上縁下のエアフロー、歯肉縁下のペリオフロー、スマートピエゾンによるものを提供しています。
エアフロー+超微細ウォーター
プラークや色素沈着の除去について、すばやく、しつこいものもスプレー噴射で対応可能です。
エアフローによるメンテナンス
従来よりも、快適で優しいメンテナンスが提供可能。インプラント・天然歯質のいずれも違和感・痛みのない清掃が可能です。
ペリオフローノズル+
プラスパウダー
深い歯周病ポケット内のバイオフィルムをコントロールします。深さは5mm~10mmに適用できます。
ペリオフローによるメンテナンス
メンテナンスが必要な人口的なインプラント周辺もエアフロー プロフィラキシス マスターで、ダメージを最小限に抑えながら清掃が可能です。
理由は、歯の根の方向には水のみがノズルの先端から噴射し、側面からパウダーとエアーが噴射する機能にあります。
これにより、違和感や痛みのないメンテナンスができます。
スマートピエゾンによる
スケーリング
従来よりも、痛みの少ないスケーリングになります。理由は、負荷に応じてパワー出力を調整し、最適な強さにする機構を搭載している為です。
歯面を傷付けることもなく、不要な振動がありません。
様々なチップ
EMS社のチップは、高い品質を保っており、患者さんの歯質を守ることにこだわっています。インプラントのメンテナンス、歯石除去用のものなど、先端チップには種類があり、状況に応じて、適したものを使用しています。
エアフロー プロフィラキシス マスターを使用したメンテナンスは、基本的に自費治療での診療になります。
初診時では使用せず、歯周病基本治療の終了後、メンテナンスに移行するタイミングから実施します。完全予約制で、当日・無断キャンセルの場合は、キャンセル料が発生します。
まだ国内でも導入済みの歯科医院が少ない患者さんへの提供には限られた枠数となります。ご理解ください。