高齢者のセルフケアについて
皆さん、こんにちは!
根城よしだ歯科の歯科医師の坂本です。
今回は高齢の方のセルフケアについてお話したいと思います。
現在日本人の平均寿命は年々伸びてきています。2019年度では男性81.4歳、女性87.4歳となっています。多くの人がそれだけ長生きできる時代です。
歯科医院にいらっしゃる高齢の方の年齢層も変化してきています。近年では80歳、90歳を超える方が自力で通院していることも珍しくありません。
自力で通院できる高齢の方のセルフケア(一人でお口をきれいにする)力は比較的保たれていて、認知機能も大きく低下している事はまず少ないです。
しかし問題なのは、歯科医院に通院したくてもできない高齢の方です。
歯科医院に通院が困難になる大きな理由として、脳卒中や心疾患、大腿骨骨折などの病気があります。より重症な場合には、後遺症や障害が残ることもあります。
平均寿命は伸びていますが、残念ながら歳を重ねると身体的に衰え、疾患にかかりやすくなります。長寿といっても、元気な健康長寿であれば良いのですが、必ずしもそうならない現実があります。
その指標に介護や他人からの支援がいらない健康寿命があげられます。平均寿命と健康寿命の差は、男性が約9年、女性は約12年と言われています。
このような健康寿命後の、要支援、要介護状態の方は、歯科医院の通院に介助者による送迎が必要であったり、セルフケアだけでは口腔の管理が不十分であったりするため、介助による口腔ケアが必要となります。
認知機能や全身状態が不良で、セルフケアがまったく不可能であれば全介助となります。しかし要介護高齢者に少しでも残存能力があれば、それを活かしてセルフケアに繋げるという視点は、本人のリハビリテーションや介護負担軽減という観点でとても重要です。
お口の掃除は工夫次第でセルフケアが可能となりえる部分があるため、その要介護高齢の方の残存能力を見極め、どのような対応が必要かをよく検討することが重要です。その際、お口だけを観察するのではなく、認知機能や四肢の麻痺の程度など、視野を広げた個別の対応が必要となります。
そのためにもご家族の協力はもちろん、残存能力を活かしたセルフケア指導や他職種連携が重要です。
もしご家族に介護の必要な高齢の方がいらっしゃいましたら、一度お口の中を覗いてみて下さい。
根城よしだ歯科では訪問診療での口腔ケアの際、セルフケアを活かした指導も行っております。
何か心配ごと相談ごとがございましたら、一度ご相談ください。