認知症と口腔ケアについて
皆さん、こんにちは!
八戸総合歯科・矯正歯科の歯科医師の坂本です。
今回は認知症と口腔ケアについてお話したいと思います。
高齢者の一般的な症状として、認知症があります。日本の超高齢化もあいまって、現在では65歳以上の高齢者の5~6人に1人が認知症だと言われています。
その中でもアルツハイマー型認知症の有病率が時代推移とともに、急増していることが研究で分かっています。アルツハイマー型認知症の1つの原因として、歯の本数が上げられます。歯の喪失が多い方ほど全認知症とアルツハイマー病の発症リスクが高まると言われています。
健康に長生きする為には、歯が欠かせません。若いうちからきちんとケアし歯を残していくことが一番良いのですがそうもいかない場合もあります。
認知症になってしまった場合、いかに発症を遅らせていくかが重要になってきます。
遅らせるための手段の1つとして口腔ケアが上げられます。
認知症になると、お口のケアができなくなり、歯周病が悪化。
歯がぬけてしまい、歯の本数が減って更に認知症が悪化するという悪循環となります。
認知症の進行は、発症前期から初期、中期、末期へと移行していきます。
この進行の中で、口腔ケアや摂食嚥下機能の様々な問題点が出てきます。
特に口腔ケアの問題点としては、清掃の低下から始まり、次に、複雑な指導の受け入れ困難、一部介助を必要とする状況、そして最終的には全介助というような流れが考えられます。
初期の問題点は、歯科医院に自分で通うことが難しくなり、結果的に受診が途絶えてしまい、口腔内の状態が悪化してしまう事です。
初期から中期に差し掛かる時期では、一部介助が必要になってきますが、患者さんは自尊心を持っているため、自分でできるとなかなか介入させてもらえないこともあります。
認知症の症状は、より身近な家族に対して出やすいと言われています。
訪問の口腔ケアでの一例ですが、お口の中がひどく汚れている状態の患者さんがいました。そこで家族のかたに、もう少し日常でのケアを上手く手伝うことは可能ですか?と相談してみると、実は先生たちの前では口を開けるけど、普段はすごく嫌がっているという事でした。
同様のケースは施設等でも良くあります。このような問題は初期から中期に多くなってきます。このころに歯科がしっかりとした介入をすることで、その後の治療やケアの流れがスムーズになります。
八戸総合歯科・矯正歯科では、ご自宅、施設や病院にも直接伺い、訪問診療として治療や口腔ケアを行っています。
高齢の方などのお口の中について、何か心配ごと相談ごとがございましたら、一度ご相談ください。