舌癖について
みなさんこんばんは!
青森県八戸市根城よしだ歯科の歯科医師の田口美加です。
今日は、子どもの舌についてお話していきます。
まず、みなさん舌について考えたことはありますか?
実は舌はお口の中でとても重要な器官であり、私たちの生活を支えています?
普段あまり意識することはないと思いますが、食事のときに食べ物を歯の上に運んだり喉の方に飲み込みやすくしたり、お話をするときも器用に形を変えていろいろな音を作ったりしています。
舌の中には縦、横、斜めに筋肉の繊維が沢山走っていてとても発達しています。
そのため驚くほど繊細に動くことが出来るのです。
そんな舌ですが、普段どこにあるのが正解なのでしょうか。
一緒に確認していきましょう。
まず唇を軽く閉じてリラックスします。
このとき舌全体が上あごの天井にピタッとくっつき、舌の先は上の前歯に触れるか触れないかのスポットと呼ばれる上あごの膨らみの位置にいます。
これが舌本来の定位置です。
次に、唾をごくんと飲んでみましょう。
舌の位置はそのままで、舌先はスポットにありますか?
もしスポットから離れて前歯の裏に押し付けられているのであれば、舌が定位置からズレてしまっていることになります。
これを「舌癖」といいます。
そうなると飲み込む度に余分な力が歯やあごにかかってしまい、前歯の歯並びが乱れたりあごの骨が変形してしまったりします。
もともと、舌の力と唇の力は均衡するようになっているので、正しい位置に舌があれば歯並びが悪くなることはありません。
またもう一つ、舌の位置を確かめる方法が発音です。
幼児期を過ぎてもサ行、タ行などの発音時に舌足らずになる子どもは舌の筋肉不足か、舌の下にあるスジ(舌小帯)が短いなどの理由があります。
舌癖の原因と対処法はその子によって様々ありますが、ここでお家でも簡単に出来る舌と唇の筋トレ(MFT)について紹介していきます。
《舌の筋トレ》
◎タン!タン!タン!
舌を上あごに貼り付け、舌をタン!タン!と鳴らします。舌に力がつくといい音がします。
◎舌をスライド
舌を上あごに張り付けたら、口を大きく開けたまま舌全体を後ろにゆっくりとずらしていきます。
◎ガムトレーニング
ガムを奥歯で噛んで柔らかくします。舌でガムを丸くまとめます。ガムを舌で上あごのスポットより少し後ろに張り付けます。舌をガムに当てたまま舌を後ろにズラしてガムを引き伸ばします。
《唇の筋トレ》
◎イー・ウー体操
思い切り「イー」の口をします。次に思い切り「ウー」の口をします。
◎ボタンで引っ張りっこ
丸くて大きく平たいボタンにタコ糸を通したものを作り、唇でくわえて引っ張ります。
舌癖を治し、唇を閉じられるようになると歯並びが改善されるだけでなく、風邪やインフルエンザなどの感染症のリスクも下がります。
また口の中が乾きにくくなって、虫歯や歯周病のリスクも減っていきます。
さらに口角がキュッと上がることで笑顔も綺麗になっていくのも期待できます。
ぜひ、舌癖がないかチェックをしこれを機会に治していきましょう。