矯正治療の「後戻り」について
皆さんこんにちは!八戸総合歯科・矯正歯科の副院長 渕澤 一徳です。
今日は、矯正治療後に起こる「後戻り」についてお話いたします。
皆さんは矯正治療後に歯が元の位置に戻ろうとする現象が必ず起こるということをご存知でしょうか?
生体は恒常性という現象が常に起こっています。ご存知の方もいるとは思いますが、体はできる限り今の状態を保とうとする性質があります。
再生もそうですよね。
例えば怪我をして傷をつくってしまっても、もとに戻るかのように傷は何日かかけて治っていきますよね。
もちろん、完全に同じになるわけではないですが、もとの状態に近づけていくわけです。
お口の中においてもそれはもちろん起こります。
だから、歯並びが変わったことを生体はあまりよくない現象として認識し、もとに戻そうと働いてしまうのです。
もちろん整体に悪気はないですよね笑
それから、普段の噛み方や、舌やお口周りの筋肉、頬の筋肉なども歯並びが変わったからといって変わるわけではありません。
前の歯並びの頃のように噛んだり飲んだり話したりすると、前の歯並びに戻ってしまいます。
もちろん、歯が動いた直後は、歯を支える土台の骨も柔らかくなっており、戻りやすい状況になっていることも重要です。
必ず、矯正する方々には矯正後の後戻りについてご説明していますが、初めて後戻りを体験した方はかなり驚かれます。
こんなに戻るの??と。
そうです。もとの状態とは言いませんが、かなり歯は動いてしまいます。
だからこそ、矯正治療は動かして終わりではないことをしっかり患者さん方も理解していただくことが重要です。
矯正後に必要な治療、そうです。「保定(ほてい)」という治療です。
骨は少しづつ固まっていきます。そしてだんだん歯が動きづらくなっていきます。
その期間は大体矯正治療に費やした時間、期間と同じです。
2年矯正治療したら、プラス2年は保定をしっかりしなければいけません。
特に歯の移動量が大きかった患者さんは、しっかり保定をしなければいけません。
それに用いるのが、保定装置です。
さまざまな種類がありますが、全て意味は同じです。歯がなるべく動かなくなるようにつけてもらいます。
マウスピース型のものや、ワイヤー型のものなどあります。
皆さん、矯正治療は素晴らしい治療ですが、しっかり原理原則を理解していただき、患者さんの協力のもと、成り立つ治療でもあります。
わからないことはなんでもお答えしますので、不安なことなどそのままにせず、いつでもなんでも聞いてくださいね!
その方が我々も安心して最善の治療を提供できます!
一緒に頑張っていきましょう!
歯科医師 渕澤 一徳