歯がなくなったところに対する治療について「移植とインプラント」
みなさんこんにちは!副院長の渕澤一徳です。
歯が虫歯、歯周病などの原因で抜歯しなければいけなくなった場合、そのままにしておくとお口の中、
歯は様々な良くない現象が起こります。ですから、何かしら歯を補わなければいけません。
今回は、歯がなくなったところを補う方法、「歯の移植(再植)」と「インプラント治療」について
お話しいたします。
歯の『移植』とは歯のなくなった場所に、自分の他の場所の歯を移し入れることを言います。
『再植』とは、例えば、ぶつけて抜けてしまった歯を、同じ元の場所に戻すことや、治療のために意図的に
一度抜歯して、向きなどを変えて、また同じ場所に戻すことを言います。天然の歯に勝るものはありません。
とても有効な治療です。
しかし、制限も多く、難しい治療でもあります。
まずは最近よくご質問がある、移植のための条件についてお話しします。
①移植する場所の骨がない→歯は骨があってその場所に立っています。
ですので、あまりに歯周病で骨がなくなっていたり、根の先の膿が大きすぎて骨がなくなってしまって
いるような場合は、できません。
だからこそ普段から歯周病などの病気を、いかに予防することが重要か、ということですね!
②下顎の場合、神経に近すぎる
→下顎には太い神経、血管があります。
そこに近すぎる場合は歯を移植できません。
③上顎の場合、副鼻腔(上顎洞)に近すぎる→上顎には歯の根の奥、ちょうど目の下のあたりに、
副鼻腔(上顎洞)という空洞があります。
蓄膿症の発症する場所です。そこに近すぎると骨がないため、できません。
④移植する場所のスペースがない
→歯がなくなって、または根っこだけになった状態を放置しておくと、歯が動いてきて、
そのスペースを埋めてしまいます。
それによって歯を移し入れるスペースがない場合はできません。矯正治療によって歯を
動かす必要があります。放置することによって治療の選択も限られていき、
さらに費用もかかってしまうのです。
⑤移植するのに適した歯がない→移植したくても、それに適した歯がなければできません。
移植する歯の根の形態が複雑な場合も移植が難しい時もあります。
主に親知らずを移植歯として使うことが多いです。
⑥移植する歯が虫歯、歯周病に罹患している
→移植する歯が大きく虫歯になっていたり、歯周病が進行している状態では移植は難しいです。
移植する場合は、必ずCTを撮影し、3次元的な診断も必要になります。
これらの条件をクリアした場合、移植が可能になります。
ただし、100%成功するわけではありません。条件が悪ければ悪いほど成功率は下がります。
ちなみに40歳以降の移植は成功率は下がるというデータもあります。
しかし、成功すれば10〜15年は保つというデータもありますので、
条件を満たせば、私はとても価値のある治療だと思います。
「自分は移植できるのかな?」など、気になる方は、いつでもご相談下さい。
みなさんのために、全力でサポートさせていただきます。
次にインプラント治療についてです。
1.インプラント治療とは?
インプラント治療とは歯を失ったところに、
人工の歯根(根っこ)を骨に埋め込む治療です。そして埋め込んだ人工歯根が骨とくっつき、
その上に人工歯をつけて、天然の歯のような見た目と、
しっかり噛むことのできる素晴らしい治療です。
インプラントはチタンという金属でできており、金属アレルギーの心配もほとんどなく、
身体に安心な材質です。唯一、骨と科学的にくっつく材料として、
様々な医療分野で応用されております。
2.インプラントは最大の予防!
インプラントのメリットをお話しする前に、
歯を失ったところを補う他の治療(以下「欠損補綴」と呼ぶ)について簡単にお話しさせてください。
他の欠損補綴を大きく分けると、「ブリッジ」と「義歯」が挙げられます。
どちらもある程度、見た目や噛み合わせを再現
できる治療です。しかし、一番のデメリットは、歯を失ったところの隣の歯、
もしくは他の歯に負担をかけてしまうということです。
ブリッジは失った歯を補うために、隣の歯を削り、義歯は他の歯にバネをかけ、
そこが虫歯になったり悪くなってしまうのです。これが「予防」の観点からすると、
歯を悪くするスピードを早めてしまう最大のデメリットなんです。
それと比べてインプラントは、
単独で骨に固定でき、隣の歯や他の歯を傷つけることなく、
もとの歯のように補うことができるという、
まさに「最大の予防」ができる素晴らしい治療なのです!
さらに!「長持ち」という点でも、インプラントはNo.1です!
ブリッジや義歯の再治療になる確率は、10年で50%ほどと言われています。
その度に虫歯で歯を削り、また歯を新たに失ったり…。
インプラントは、なんと10年後の再治療率は5%以下!
つまり10年以上は安心して使うことができる!という結果が出ているのです!
ただしもちろんしっかりメンテナンスしてですよ!
歯は削れば削るほど悪くなります。
そしていずれ結局は歯がなくなる…それで後悔している患者さんを、
私はたくさん見てきています。
みなさん、ぜひ「今」だけを見ず、「将来」を長い目で見て、
ご自分のお口の健康のために、最善の選択をしていただきたいと思います。
そのために、我々は全力で患者さんのサポートをさせていただきます!
お悩みの方、いつでもご相談ください!